農業は、 まず「自然農法」を基本ベースにします。そして、自給自足の生活を目指します。極端な話作れないものは塩くらいにしたいと考えています。大豆を作って、味噌、醤油、豆腐、納豆など自家製にします。そば粉もパン粉も作れます。魚は川魚、養殖もできます。
自然農とは、田や畑を耕さない「不耕起」と草を活かす「草生」、化学肥料や農薬、石油(を使う機械)を一切使わない農業のことです。自然農では、著書「わら一本からの革命」で有名な福岡正信さんがいますが、実践者では映画にもなった川口由一さんがいます。川口さんは、27年間一度も耕したことがない田んぼでお米を作っています。私は一年間5回の合宿に参加してつぶさに勉強させて戴いたのですが、目からウロコで感激の一言に尽きます。腐葉土の厚さが10センチくらいあり、フワフワしています。その土中は、わずか一メートル四方、深さ10センチの範囲内に顕微鏡の世界まで含めるとなんと一億数千万の微生物や小動物で生態系が営まれていて、その亡骸や排泄物で天然肥料の宝庫になっているのです。
植物も昆虫も半年の命です。夏草が朽ち、冬草が朽ち果てその場で重なっていきます。そして地力豊かな土になっていくのです。
稲の生育は勢いがあり、40センチ間隔の一本植えなのに4・50本にも分蘗(ぶんけつ)するのです。稲の生命力には驚きです。神秘的で感動的です。川口さんの農業は、功利主義一辺倒の現代農業に反省を求めています。いくら生産性が高いと言ってもその背景には機械工業、肥料や農薬工業など莫大な資本と労働がかかっており、結局は人力のみの自然農の方がコスト安なのだと川口さんは言います。そして多くの雇用も確保できるのです。因みに、川口さんの田んぼは静岡大学農学部の研究対象になっております。
「害虫」という名の虫はいないし、「雑草」という植物は存在しないのです。人間が勝手に害虫だ雑草だと決め付けて彼らにとっては迷惑な話です。すべての生命は生態系の中でみな故あって生存しています。それらと「共生」するのが自然農の精神です。
作物の形や色が見てくれは良くなくても、安全で、新鮮で、波動エネルギーの高い、豊富な栄養があればその方がいいに決まっています。そんな農業を目指したいのです。

 私は週末を利用して妻と田んぼと畑を自然農で実践しています。道具は鍬と鎌とスコップだけです。一本植えの稲は平均15本〜25本位に分蘗しました。妙なる畑に立ち、雑草と小動物の中で作物が育ってゆくのを見ていて大地の造化力の偉大さ有難さに感謝し、精神的にも癒されるのでした。一方、雑草一つ生えていない整然とした畑を見ると逆に気味悪い気持ちになります。収穫した大根、胡瓜、レタス、インゲン、茄子、ほうれん草等20種以上をふんだんにいただき食の安全をつくづくかみしめています。夫婦共通の喜びがあります。大豆も作付けしました。稲の裏作として小麦も蒔きました。農作業のあとの疲れも当初は2〜3日取れなかったのが一晩で取れるようになって身体が慣れてきたようです。お蔭様で3ヶ月で6キロ減量というプレゼントをいただきました。
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